リン酸処理ってなに?その特徴と目的を知ろう!


リン酸処理ってどんなこと?

日常生活の中には、様々な金属類があります。その金属の表面処理のひとつとして化成処理があります。化成処理とは、金属の表面に化学反応で皮膜を作り表面状態を変化させる方法をいいます。この化成処理の代表的な方法として、リン酸処理があります。リン酸処理とは、リン酸亜鉛やリン酸鉄、リン酸マンガンなどのリン酸塩溶液を使い、亜鉛や鉄鋼などの金属表面に皮膜を作る化成処理方法のことです。化学反応により表面状態を変化させることで、元々の金属とは異なる性質を与えることができます。リン酸処理による皮膜はその用途や目的によって使い分けされるので、それぞれの外観が異なっています。

リン酸処理の行う目的とは?

リン酸処理の目的として、先ず金属表面の腐食や錆を抑える表面保護効果への期待が挙げられます。次の目的として塗装下地として使用することで、金属と塗装の密着性を高めることが挙げられます。塗装がはがれにくくなる、傷が付いた場合の錆の広がりの防止につながるからです。また金属加工や鍛造加工などの工程で潤滑剤と併用することで、塑性加工を行い易くする目的もあります。さらにリン酸処理によって得られたすべり耐力や摩擦係数を活用して、鉄骨製品の接合部分に優れた効果をあげることも目的となります。また新たな目的として、建築物の外観や内装を美しく見せることが挙げられます。リン酸処理により低明度処理が可能になるからです。建築物の自然な見た目や周囲景観との調和など、美観を高める仕上げ効果が期待されているといえるでしょう。

リン酸処理に近い手法は古代エジプトの時代から既に行われていた可能性を示す出土品が発掘されています。その後、1900年代にイギリスから広まりました。

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