見えないところで大活躍!消泡剤が果たす役割


消泡剤って一体なにもの?

消泡剤と聞いてすぐにピンとくる人はなかなかいないと思いますが、私たちの身近な暮らしの中で大活躍してくれている存在です。読んで字のごとく「泡を消すためのもの」なのですが、「泡の発生を抑える」場合も含みます。そもそもなぜ泡を消す必要があるのかは非常に奥が深い話になります。消泡剤が活躍する具体的な場面を紹介していきますので、ぜひ理解を深めてください。

豆腐に使われる消泡剤

お味噌汁の具としても不動の地位を築いている豆腐ですが、実は製造過程に消泡剤が使われることも多いんです。豆腐の原料となる大豆の成分の中には、水に溶けると大量の泡を生み出すものがあります。この泡を消すために消泡剤が必要となるわけです。泡をそのままにして豆腐を作ったら、食感や見た目が悪くなってしまうのは想像しやすいですよね。しかも、泡は内部に空気を含むことでもあるため、豆腐が空気に触れる機会を増やすことにもなり、腐敗を早めるという事態も招いてしまうんです。

金属の表面処理に使われる消泡剤

金属はとても頑丈ですが、錆や腐食は天敵ですよね。金属の錆や腐食を防ぐための表面処理にも消泡剤が使われています。表面加工の代表的な方法として、「リン酸処理」というものがあるのですが、このリン酸が金属に触れると泡を発生してしまうからです。泡が残ってしまうと金属の表面を満遍なく処理することができません。また、消泡剤には、オイルタイプ、界面活性剤タイプ、高級アルコールタイプなどいくつかの種類があるのですが、「リン酸処理」においては界面活性剤タイプが利用されることが多いです。

胃カメラ検査を行う前には消泡剤を飲みます。胃袋の中に存在する粘液の泡を破裂させることで、胃の状態が確認しやすくなるためです。

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